仏アニメ「clémentine(クレモンティーヌ)」の名劇化を考えるブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

スポンサー広告 |

第3話 事故(原題:L'Accident)1/4

0300.gif
【物語】
ナレーター
 クレモンティーヌの活躍により、
 サーカスの動物達は遂にモラッシュの手から解放。
 エオールと共に気球に乗って風の流れに身を任せ、南の空へと飛んで行きます。
 めでたしめでたし。
 ...ええ、確かにここま良い顛末でした。
 だがそれは、あまりにも順調に進み過ぎた序章に過ぎないのでした。
 クレモンティーヌが起こした行為は、モラッシュの野望を砕き、
 彼の主である火の魔物マルモの呪いを誘う物だったのです。
 そんな事とは露知らず、彼女は父と共に飛行レースに出場します。
 父アレックスにクレマン氏を紹介、新型ブレリオを頂いた功績で
 副操縦士として乗せて貰える事が叶った為です。
 生まれて初めての飛行機レース。
 彼女にとってこの日は生涯の中で大きな一日となる筈です。
 初めての飛行機レースで空を飛ぶ輝かしい一日。
 だが同時に、その後の彼女の人生を暗転させる運命の日と...

0301.gif
今日はレースの日。
父にクレマン氏を紹介し、新型ブレリオをもたらした功績として
副操縦士として父と共に出場する事になったクレモンティーヌ。
さっそく家政婦のレオニーに手伝って貰い、
飛行服の着用をしています。
クレモンティーヌ
 「急いで、レオニー!」
レオニー
 「そのままじっとしていて。あともう少しだから」
クレモンティーヌ
 「もう3回も同じ言葉を言っているわ、
 しかもここまでしっかり着付けなくても...ちょと心配性過ぎるよ。」

レオニー
 「心配な訳じゃないのよ、
 今日と言う特別な日だからこそしっかりと整えておかなければならないのよ。
 何しろ今日は貴方が父と一緒に初めて飛行機レースに出場する日だからね。」

レース出場を間近に控え、
興奮しているクレモンティーヌを優しく諭しながら
飛行服を細部まで丁寧に彼女に着付けるレオニー。
興奮しているとは言え、結構我が儘なクレモンティーヌお嬢ちゃん。(*^ω^*)

0302.gif
クレモンティーヌ
 「ええ、そうよ。今日は特別な日なの。
 パパはレースに勝つ為には副操縦士のサポートが必要で、だから私が手伝うの!」

レオニー
 「何を手伝うの?」
 クレモンティーヌ
 「沢山あるわ。高度や速度、飛行機のと風の速度もね。
  他にも色々...例えばカラスとか、ぶつからない様にね。」

レオニーの質問にしどろもどろに答えるクレモンティーヌ。
彼女の答えを聞きつつ、着実に飛行服を着付けるレオニー。
 クレモンティーヌ
 「痛い!レオニー、肌を挿んでるって!ちょっとキツ過ぎるわ!」
そんな2人の元へプルシュ氏がやって来ました。
 プルシュ氏
「こんにちわ。中に居ますかな?」
レオニー
 「どうぞどうぞ。中に入っていいわよ。」
レオニーの応答に応えて玄関から入るプルシュ氏。
左手に何か持っています。

0303.gif
 プルシュ氏
 「お取込み中失礼。
 実は本日の飛行機レースの開催式でクレマン・アデール氏が演説されるので。
 で、その氏の演説に立ち会う際に何か見栄えがする物をと...」

 クレモンティーヌ
 「で、その為のお土産でしょ?」
訪問の本当の目的を中々切り出せず、長々と回りくどい話をするプルシュ氏。
クレモンティーヌは彼の真意を見抜き、その手から箱を取り上げて
レオニーに手渡します。
 クレモンティーヌ
 「はい、レオニー。プルシュさんから貴方へのお土産よ。」
クレモンティーヌからプルシュ氏のお土産を受け渡され、
頬を赤らめるレオニー。
レオニー
 「...ありがとう、プルシュさん。」

0304.gif
早速箱を開けるレオニー。
箱の中から出て来たのは帽子。
「パリの女性の間で流行」と言うその帽子を
自らの手でレオニーの頭に被せたプルシュ氏。
その姿に感嘆し、溜息をつきます。
 プルシュ氏
「素晴らしい...何て美しいんだ、レオニー。
 正に女王様、アレックスの飛行機より美しいよ。」

しかし、感動するプルシュ氏とは裏腹に少々困惑するレオニー。
何しろその帽子は形状と言い、飾りと言い、
デザインがあまりにも怪しい。(笑)
更にプルシュ氏のピントのズレた言葉が続き、
彼の真心を感謝しつつも渋い顔。 
あまりの可笑しさにクレモンティーヌは部屋の片隅で
吹き出すのを必死に堪えていました。

0305.gif
そこへ、アレックスがやって来ました。
アレックス
 「皆、いよいよレース大会が始まる。準備が出来たか?」
 クレモンティーヌ
 「準備万端です!機長!」
アレックスの質問に元気良く答えるクレモンティーヌ。
アレックス
 「きちんと着れてるようだね。クレモンティーヌ。それに皆さんも。
 これは驚いたレオニー、会場で一番の華になるよその姿は。」

娘の飛行服の着用を一通り見て確認、
更にレオニーの帽子に明敏な評価で淡々と応えるアレックス。
アレックスに褒められレオニーもようやく渋い顔が無くなりました。

0306.gif
 クレモンティーヌ
 「プルシュさんからの贈り物なのよ。」
父にレオニーの帽子の事を説明するクレモンティーヌ。
するとそこへ突然ハトが。
窓から家の中に入り、クレモンティーヌ達の頭上を飛び回ります。
思わず感嘆するクレモンティーヌ達。
 プルシュ氏
「これは何と...吉兆ですぞ!
 昔からハトが入った家には幸運が訪れると伝えられてる。
 レースに勝ったも同然。おめでとう、アレックス!」

ハトの訪問を祝福するプルシュ氏。
 クレモンティーヌ
 「それだけじゃないわ。見て!」
更にハトには何かがあるのを
クレモンティーヌは見付けます。

0307.gif
クレモンティーヌが見付けた物。
それはハトの脚に何か紙が括りつけられている事です。
 クレモンティーヌ
 「誰かからの手紙だわ。皆んな急いで!」
家の外へと出て行くハト。
後を追い駆けるクレモンティーヌの呼びかけに
大人たちも早速続きます。
まるでクレモンティーヌ達が家の外から出たのを確認したかのように、
ハトは郵便箱の上に留まりました。

0308.gif
 プルシュ氏
 「驚いた。クレモンティーヌの言う通り、これは伝書鳩じゃ。」
 クレモンティーヌ
 「きっとエオールからの物だわ。」
ハトに括りつけられていた手紙を外し、
読み上げるアレックス。
彼の言葉に一同固唾を飲んで聞き入ります。
その手紙はクレモンティーヌの言う通り、
気球に乗って空を飛んでいるエオールからの物でした。

0309.gif
 エオール
「拝啓、アレックス、クレモンティーヌ、そして皆さん。
 私は今動物達と一緒に気球に乗って旅をしています。
 風は南へ向かい、どんどん皆さんの元から離れています。
 それが少し寂しくもあります。
 地上を見下ろすと広大な大地が広がり、進むに従って
 風景がどんどん変わっています。
 空はこんなにも縛りが無く、また世界はこんなにも広かったのかと、
 アレックスがおっしゃってた空を飛ぶ感動を今味わっている所です。」


0310.gif
 エオール
「動物達は皆無事に過ごしています。
 唯一スターレットだけは何か憂鬱ぽいですが。
 彼女から理由を聞き出せれば良いのですが、
 あいにく私は動物の言葉を知らないので見守る事しか出来ません。
 この先どうするかはまだ決めていません。
 動物達の故郷であるアフリカ大陸へ行ってみるのも良いかもと思ってます。
 フランスの南部に着いたらまた連絡します。
 エンリコに宜しく伝えて下さい。
 彼はまだあの男の下に居て酷い目に遭っているかも知れません。
 どうか皆さんの手で助けてあげて下さい。
 皆さんにありがとう、こんな自由を私に下さって。
 そしてアレックス。
 私は貴方がレースに勝つと信じています。
 では。」


0311.gif
エオールからの手紙を読み終え、
遥か彼方の彼女に想いを馳せるアレックス。
 アレックス
 「その通りだ、
 彼女の為にもこのレースは優勝しなければならない。
 出発だ。我々はこれから勝利を掴みに行く!」

今一度気を引き締め、今回のレースでの優勝を誓います。
父の誓いを見たクレモンティーヌはハトを手に乗せて感謝します。
こうして一同は会場であるヴィラクブレー飛行場に向かいました。

0312.gif
ヴィラクブレー飛行場。
バジルの手でアレックス機が格納庫から出され、
主の到着まで待機しています。
その傍らにゴントロンが憂鬱な面持ちで塞ぎ込んでます。
(ここから少し動物コントがあるのですが、ツマラナイので何時も通り省略)
そんなゴントロンを余所に、
レース大会が遂に始まりました。
 会場アナウンサー
 「紳士淑女の皆さん、
 ヴィラクブレー国際飛行機レースが遂に始まりました。
 レースが始まる前の前座として、各種の飛行機ショーを揃えております。
 先ずはショーをお楽しみください。」

場内に会場アナウンサーの声が響き渡り、
空には様々な飛行機がパフォーマンスを披露。
レースの雰囲気を盛り上げて行きます。
その傍らで、レースに出場する参加者と機体が着々と準備されて行きます。

0313.gif
そんな会場の中を、ラジオリポーターが歩き回り、
フランス全土に会場の様子を中継して伝えています。
 リポーター
 「何と言う大いなる日でしょう!
 嘗てこれほど人が詰め掛けて賑わった飛行機レースがあったでしょうか?
 今日は後世の歴史に刻まれる素晴らしい栄光の日となる事でしょう!
 ああ、この会場の様子を絵にしてでもお見せ出来れば良いのですが。」

1920年代はようやくラジオの放送が開始されて普及し出したばかり。
当然TV放送なんか夢のまた夢の時代、ましてネット社会の現在なんてもう別次元。(笑)
90年と言う年月がもたらした情報伝達手段の進化はこうも違うのですね...
そんなリポーターのラジオの中継を聞いている男が一人。
そう、あのモラッシュ。
サーカスの動物達を奪われた為にサーカスの開催が出来ず、開店休業状態。
彼の主が睨み回しているヴィラクブレーの空の下、
誰も居ないサーカス会場の中で一人苦々しくラジオを聞き入っているのです。
 
0314.gif
しかしこのモラッシュ。
レースが滞り無く行われるのをただ苦々しく
聞き入っているだけ...と言う訳じゃないのです。
 モラッシュ
 「今に見ておれ、直ぐに吠え面をかく事になるわ。」
不敵な笑いを浮かべて不気味な予言をするモラッシュ。
だが、そんな彼に思わぬ展開が。
 リポーター
 「本当に素晴らしい日です!
 いよいよレースが始まります!今回のレースに参加する飛行機達が動き始めました!
 今私の周りを所狭しと動いています!右に左に、
 そして前にうしろ...ギャッ!!」

リポーターの言った通り、背後から飛行機がやって来て、
その翼で彼の背中を叩きます。
翼に叩き飛ばされ、転倒するリポーター。
彼の手からマイクが跳ね飛ばされてバジルの足元へ。

0315.gif
マイクを拾ったバジル。
そのマイクはフランス全土に中継されています。
拾ったは良い物のどうして良いか判りません。
 バジル
 「ああ、えーと...
 ハロー、ハロー。本日は晴天なり、晴天なり...」

取り合えずその場凌ぎで適当な言葉を述べるバジル。
っと、そこへ悪戯坊主であるプチボーイがやって来ます。
 プチボーイ
 「そのマイク貸して!良い事を思い付いたから!」
プチボーイにあっさりとマイクを渡すバジル。
 プチボーイ
 「へへ、これでモラッシュの野郎を♪」
...ええ、このガキが良い事を思い付いている筈がありません。
明らかに悪い事を思い付いています。
こうしてプチボーイ早速マイクを使って悪戯を仕掛けます。

(次回に続く。)
関連記事
スポンサーサイト
未分類 | コメント:3 | トラックバック:0 |

第2話 気球で脱走(原題:La Fuite en ballon)3/3

【第二話3/3】
0228.gif
(内容省略)
蚤のジネットに急かされ、
スターレット救出の為にモラッシュサーカスに侵入したゴントロン。
ヒーローらしく身なりを整える為に衣裳部屋で衣装を拝借し、
怪傑ゾロに扮していざモラッシュと対峙。
しかし所詮は老いた猫。正面対決で勝てる筈も無く、
あっさり返り討ちに遭って捕まります。
(省略終わり)

0229.gif
其処へ、クレモンティーヌとプチボーイがやって来ます。
クレモンティーヌ
 「し-っ、静かに!何か音が聞こえたわ。」
プチボーイ
  「向こうから誰か来る!ヤバい、隠れよう!」
ゴントロンを捕まえたモラッシュの足音を聞き、
2人は急いで衣装の中に隠れて無事にやり過ごします。
こうして二人はエオールとエンリコに秘密に会う事に成功。
気球(正確には飛行船)を使った脱出作戦の計画を打ち明けます。
エンリコ
  「悪いが、私はその計画に乗る事は出来ない。」
計画に反対するエンリコ。
プチボーイ
  「じゃあ、このままアイツの元に居るのかよ!」
エンリコ
  「...私にはもうその力が無い。」
年老いたエンリコにはモラッシュサーカスを抜け出す
力と勇気が残されて居なかったのでした。

0230.gif
エオール
  「私が行くわ。」
年の若いエオールは賛成しました。
そして早速荷造りを始めます。
エオール
  「空を旅するなんて素敵な事じゃない。風になれるのよ!」
こうして準備が整い、エオールはエンリコに別れを告げます。
エオール
  「じゃあ、行くわ。心配しないで。
 落ち着いたら連絡するわ...そして、貴方も助ける事もね。」

クレモンティーヌ
 「日が落ちたわ。もう外は真っ暗よ。」
外の様子を覗っていたクレモンティーヌは時が来た事を告げます。
いよいよ脱出作戦が始まりました。

0231.gif
サーカスの動物達が閉じ込められている檻の中。
モラッシュに捕まったゴントロンもこの中に放り込まれていました。
ようやく巡り合えたスターレットとゴントロン。
2人はずっと抱きしめ合い、愛を確かめています。
その光景を見てウンザリするサーカスの猿。
(その気持ち...痛い程判るよ!猿!!お前の衣装もキモいけどな!)

其処へ、クレモンティーヌ達がやって来ます。
クレモンティーヌ
 「みんな起きて、助けに来たわ。これから出かけるのよ!」

0232.gif
プチボーイが檻の鍵を開けます。
プチボーイ
  「僕の後に付いて来るんだ。静かにだぞ!」
クレモンティーヌ
 「ゴントロン、貴方も出るのよ。気球には乗せられないけど。」
サーカス動物達の中からゴントロンを見つけ、抱えて檻から出します。
エオール
  「みんな出たわね...じゃあ行くわよ。」
こうして動物達を檻から出したクレモンティーヌ達は
忍び足でサーカスの出口に向かいます。
ところがその途中にモラッシュが寝ている家馬車がありました。
モラッシュが起きない様、更に慎重に歩くクレモンティーヌ達。

0233.gif
モラッシュの家馬車のすぐ脇を通るクレモンティーヌ達。
クレモンティーヌ
 「もう少しマシな道は無かったの?」
エオール
  「残念だけどね...他に選択肢は無いわ。」
その時突然、象が窓に置かれていた植木鉢の葉に鼻をくすぐられ、
プチボーイの必死の制止も空しく大きなクシャミを。
反動で植木鉢が地面に落ち、大きな音を出してしまいます。
(お約束の展開。こう言うオチは世界共通だねぇ...)
モラッシュ
  「誰だ!こんな真夜中に!」
音に気付き窓を開けて外を見るモラッシュ。
エンリコ
  「私でございます、団長。
 新しい芸が完成しましたので、是非見て頂きたいと思い、参じたのでございます。」

モラッシュの前に現れたのは何とエンリコ。
彼はモラッシュの目を欺いて少しでもクレモンティーヌ達の
脱出の時間稼ぎをしようと体を張って来たのでした。

0234a.gif
モラッシュ
  「新しい芸だと?」
訝しがるモラッシュを尻目に演奏を始めるエンリコ。
しばらくの間憮然と演奏を見つめるモラッシュ。
しかし、直ぐにサーカスの檻の異変に気付きます。
モラッシュ
  「檻に動物が居ない!やりやがったな、あの泥棒共め!」
家馬車を飛び出しクレモンティーヌ達を追いかけるモラッシュ。
しかし、
エンリコ
  「団長、まだ演奏が終わってませんよ。」
と、エンリコがとぼけた振りをして必死に遮ります。

0235.gif
モラッシュ
  「どけ!この野郎。貴様も加担しやがって!」
エンリコの妨害を振り切り、必死に追い駆けるモラッシュ。
その頃、クレモンティーヌ達はヴィラクブレー飛行場に到着。
展示物の気球に動物達を乗せて行きます。
クレモンティーヌ
 「急いで!とうとう来たわ!」
心配するクレモンティーヌの視線の先にモラッシュが見えて来ました。

0236.gif
モラッシュ
  「ええい、邪魔だ!」
プチボーイを押し退け、気球に近付くモラッシュ。
モラッシュ
  「止めろ!貴様ら降りるんだ!逃げるのは断じて許さん!」
今にも気球に飛び掛かろうとします。
とその時、クレモンティーヌが斧を持ち上げて言います。
クレモンティーヌ
 「貴方の好きな様にはさせない!動物達はもう自由よ!」
そしてそのまま斧を振り降ろし、
気球を地面に固定していたロープを断ち切ります。

0237.gif
固定ロープが断ち切られ、エオールと動物達を乗せて浮き上がる気球。
しかしモラッシュは断ち切られたロープの切れ端を掴み、
離陸させまいと必死に引っ張ります。
モラッシュの体重によって気球の上昇が止まり、暫らくの間均整の状態に。
その均整を破ったのは何とあのゴントロン。
ゴントロンは勇気を振り絞ってモラッシュに跳び掛かり、彼の手を噛みます。
ゴントロンに噛まれて思わず手を離し、地面に叩き付けられるモラッシュ。

0238.gif
モラッシュと共に落下したゴントロンを両手でキャッチするプチボーイ。
プチボーイ
  「良くやったゴントロン。さぁ、さっさと逃げよう!」
こうしてクレモンティーヌとプチボーイは飛行場から退散。
気球もエオールと動物達を乗せてどんどん上昇し、飛行場を後にします。
唯一人残されたモラッシュは悔しさで地団駄を踏むばかりでした。

0239.gif
その時でした。
モラッシュの頭上にあの謎の黒い不気味な雲が突然現れ、
稲妻を発しつつ、何者かが不気味な声でモラッシュに怒鳴りつけます。
謎の声
  「我がしもべモラッシュ!」
モラッシュ
  「こ、これは我がご主人様!」
この世の者とは思えない恐ろしい声の主に気付き、
モラッシュは慌てて身を正します。
謎の声
  「しくじりおって。
 予がなぜ貴様を地上に送り出したか忘れたか!」

モラッシュの支配者と称する謎の声の主は
彼を攻め立てます。
モラッシュ
  「わ、忘れてはございません。
 信じて下さい、これは想定外の事故です!
 この落とし前は必ずつけて差し上げます!」

謎の声の主に必死で弁明するモラッシュ。
謎の声
  「機会を与えよう。
 今回のしくじりで失った損失を挽回し、事を成就するのだ!」


0240.gif
謎の声
  「猶予は与えぬ。
 予に捧ぐ物は速やかな結果のみだ。
 失敗した暁はどうなるか判っておろう!」

そう冷酷に言い放ち、稲妻をモラッシュの足元に撃ち込む謎の声の主。
その恐るべき力に恐れおののきつつ、
ある事を思い付くモラッシュ。
モラッシュ
  「良い考えが...私に良い考えがあります。
 此度の失敗の落とし前...この地上での目的...
 貴方様がご満足頂ける結果を速やかに提供できる方法を!」

そう言って不敵な笑みを浮かべます。

...それから暫らく時が経ち、完全な真夜中。
ヴィラクブレー飛行場は人一人おらず、完全な静粛の中です。

0241.gif
飛行場の敷地内にはクレモンティーヌの父、
アレックスの飛行機格納庫があります。
翌日のレースに備えて整備された飛行機がこの中に。
出入り口には厳重に鍵が掛けられています。

と、そこへ男がやって来ました。
その男は自分の体を盾にして扉の鍵に何か細工をし始めます。
次の瞬間、鍵が外れ、出入り口の扉が開きます。
そして周りを警戒しつつ、格納庫の中に入る男...

そう、モラッシュです。
中に入ったモラッシュは誰にも気付かれない様、
そっと扉を閉めました。

【感想】
第2話の紹介が終わりました。
1話同様、4回に分けなきゃ駄目かな?と当初は思ってたのですが、
本編に全く絡まないゴントロン達の詰まらない動物コントが
1/4近くの尺を使って延々と描かれてる回だった為、
それを省いた結果3回で済みました。
動物コントを省いたことは後悔も反省もしません...
だって本当に無駄だもの。

今回の話は
クレモンティーヌが動物達を救出してモラッシュを妨害した結果、
彼をを支配していた謎の声の主
が現れ、彼女に介入して行き、災厄を招くと言う
大きな切っ掛けとなるお話です。

「幾ら動物達が可哀想だからと言って、展示物の気球を使うのは窃盗では?」
「サーカスの動物達を逃がすなんて営業妨害で重罪だろ!」
と色々ツッコミ所満載でかなり強引な展開です。
動物コントを省いてもう少し丁寧な描写と話の展開は
出来なかったのか?と思いますが、
脚本・演出・作画が極めて高いレベルで揃った日本アニメじゃないので
その辺はご愛嬌(笑)
サーカスの営業妨害と気球窃盗行為の線は後の話で
きちんとトラブルとなって回収されます。

後、クレモンティーヌの無鉄砲で無茶な性格が明らかになった事も(笑)

次回はいよいよ謎の声の主ことマルモと守護妖精ヘメラが登場し、
クレモンティーヌを絶体絶命の危機に陥れる大きな運命が待ち構えます。
関連記事
クレモンティーヌ(原作) | コメント:0 | トラックバック:0 |

マイリトルポニー

( ゚Д゚)y─┛~~ <姪が見せてくれた
         アメリカのカートゥーン
          「マイリトルポニー」にすっかり萌えちまって
           ブログ更新サボりまくりの2ヶ月になっちまったぜ...

20120416214807.jpg
このアニメをまだ知らない方は、ググって下さい。
鼻の効いた星の数ほどの野郎共
既にブログやサイト、
2ちゃんねるでスレを立ててますので。

トワイリー(トワイライト・スパークル)たん、(*´Д`)ハァハァ
mlp_Twilight_Sparkle.png

しかし今でこそ日本人の感性から見ても
こんなに萌えるマイリトルポニーも
1980年代は↓の様に日本人の感覚では
萌える所か、お世辞にも可愛いとは思えない代物だった。
(東映制作のアニメもやっていた)
8282.jpg
この数十年で日本アニメが世界中に影響を与えた結果、
外人の感性も日本アニメに準ずるようになったんだなあ...

MLPでもこう変われるんだ。
クレモンティーヌも頑張れば不可能じゃない!


...実現出来ればの話だが(汗)
関連記事
日記 | コメント:0 | トラックバック:0 |

第2話 気球で脱走(原題:La Fuite en ballon)2/3

【第二話2/3】
0215.gif
クレマン・アデール
 「ムッシュ。貴方の情熱は判りました。
 しかし、今回のレースの運営の責任者として残念ながら
 貴方様を参加させる事が出来ません。
 参加者が満員でキャンセル空きも無いので。」

そう言い、モラッシュの強引なレース参加の申し出を断るクレマン氏。
モラッシュ
 「成程、キャンセルで空きがあれば宜しいのですな。
 判りました、その点は私が何とかしましょう。
 覚えていて下さい。私の名はモラッシュ。
 今回のこのレースの優勝者となる男です!」

そう不敵な笑いを浮かべて述べるモラッシュ。
と、そこへクレモンティーヌが割って入ってモラッシュに捲し立てました。
クレモンティーヌ
 「バラバラに壊れた唯のガラクタが昨日今日でロケットに!
 父の弁償金を使ったにしては余りにも早すぎるわ!
 パパのお金はどうしたの?ロケットをあんなに早く修理する資金は?
 サーカスの動物達を餓えさせて貯めたお金でロケットを修理して、
 パパのお金は懐に入れたのでしょう?そんなの卑怯だわ!」

父アレックスの弁償金の入金日とロケットの修理の時間に辻褄が合わない事、
サーカスの動物達の窮状と今までの経緯から、
クレモンティーヌはモラッシュの不当な金銭のやり繰りを見抜き非難したのでした。

0216.gif
モラッシュ
 「このクソガキ!またお前か!
 よりによってこの大事な時に出て来て邪魔しやがって!」

突然現れクレマン氏の前で面子を潰したクレモンティーヌに
怒りを露わにするモラッシュ。
モラッシュ
 「とんだ邪魔が入りまして。場を汚してしまいましたな。
 気分転換に如何ですかな?私のロケットを一目見学して頂ければ...」

そう言ってクレマン氏に媚びるモラッシュ。
クレマン・アデール
 「ムッシュ、残念がら私は今大会の責任者として
 色々予定がありますので。」

そう言ってクレマン氏はモラッシュの申し出を断る。
モラッシュ
 「成程、判りました。お目に掛かれて光栄でした。ではまた改めて...」
そう言ってクレマン氏にお辞儀をするモラッシュ。
しかし直後に踵を返す形でクレモンティーヌを睨みつけ、
モラッシュ
 「このクソガキ!今度また会って儂の邪魔をしたら唯じゃ置かんからな!
サーカスのサルの檻にぶち込んでやる!」

そう言ってモラッシュはようやく立ち去って行きました。

0217.gif
クレマン・アデール
 「こんにちわ。クレモンティーヌお嬢ちゃん。」
クレモティーヌの名前を呼んで丁寧に挨拶するクレマン氏
クレモンティーヌ
 「どうして私の名を?」
クレマン・アデール
 「子供達が君の事を噂していて、そして私に話してくれてね。
 そして君の父さんがあのモラッシュと言う男に大変な目に遭ったと言う事も。
 どうやら今苦しい状況に陥っている様だね。」

そう言って心配そうに彼女を見るクレマン氏
クレモンティーヌ
 「ええ、そうなの。予定していた新しいエンジンが
 手に入らなくなってしまって...」

クレマン・アデール
 「おやおや、クレモンティーヌ。
 そんな悲しい顔をしなくても大丈夫だよ。良い打開策がきっとあると思うよ。
 私を君のお父さんの所に連れて行って貰えないかい?」

そう言ってクレマン氏は彼女にアレックスの元への案内を頼みます。

218.gif
クレモンティーヌはクレマン氏を父の元へ案内しようとします。
しかし突然立ち止まり、気球(厳密には飛行船)を指してクレマン氏に質問します。
クレモンティーヌ
 「あれはどうやって動くのかしら?空を飛ぶ操縦は?」
クレマン・アデール
 「中に入った軽い空気の力で浮かんでいてね。
 だから自然に飛び上がるので技術は特に要らず、
 後は舟みたいな要領で漕ぐか風に任せるだけだよ。」

クレモンティーヌ
 「風任せ、舟...まるでノアの箱舟みたい。」
気球を見て旧約聖書の物語を思い浮かべるクレオンティーヌ。
何かを思い付いたのか、暫らくこの空飛ぶ舟の姿を見つめていました。

0219.gif
場面は替わってアレックスの飛行機の格納庫。
アレックスとバジルは飛行機の整備を黙々と行っています。
プチボーイも飛行機にペンキを塗るのを手伝っています。
其処へ不敵な笑いを浮かべたモラッシュがやって来ます。
モラッシュ
 「いやどうも皆さん、お邪魔します。ご迷惑かもしれませんが、
 今回、私は皆さんと取引きをしたいと思いまして訪ねた次第で。
 ええ、きっと皆さんにもきっとお得になると思いますよ。」

仕事の邪魔をされて不愉快な顔を浮かべるアレックス達を余所に、
モラッシュは更に傲慢な声で尋ねます。
モラッシュ
 「どうです?此度のレースの出場権を私に譲って頂くのは?
 もちろん、相応のお金は支払いますよ...幾らなら売って頂けますかな?」

モラッシュはアレックスのレース出場権を金で奪い、
自分がロケットに乗ってレースに参加しようと企んでいるのです。

0220.gif
モラッシュは更に現場に踏み入り、整備中の飛行機にケチを付け始めます。
モラッシュ
 「これはまた何と年季が入ったエンジンだ事、
 博物館に飾った方がお似合いですな。」

そして更に捲し立てます。
モラッシュ
 「どうです?5フラン...いや、7フランで。
 お金が手に入る上、オンボロ飛行機のせいで
 レースで惨敗する恥を受けなくて済むんです。
 決して損な取引きじゃないでしょ?」

モラッシュの傲慢さにアレックスもとうとう怒ります。
アレックス
 「いい加減にして下さい!
 貴方にレースの出場権を譲る気はありません。
 それに飛行機の整備の邪魔です。
 とっとと出て行って下さい!」

そう言ってアレックスはモラッシュを捕まえて格納庫の出入り口に放り投げます。
放り投げられて地面に叩き付けられるモラッシュ。

0221.gif
地面に叩き付けられたモラッシュが見上げると、
其処にクレモンティーヌとクレマン氏が丁度やって来ました。
クレマン・アデール
 「おやおや、良く飛びましたこと。」
クレマン氏が皮肉を言います。
クレモンティーヌ
 「パパ、あのね。この人がパパに合いたいと...」
クレマン氏をアレックスに紹介するクレオンティーヌ。
アレックス
 「クレモンティーヌ、この人を誰だか知ってて連れて来たのか?」
クレマン氏を一目見て娘に質問するアレックス。
クレモンティーヌ
 「ううん...良く判らないわ。」
クレモンティーヌは父の元に連れて来た人をクレマン氏だと知らなかったのです。
アレックス
 「じゃあ、今回のレースの主催者は誰だか知ってるよね?」
アレックスは優しく諭すように質問します。
クレモンティーヌ
 「勿論知ってるわ。航空界の父、クレマン・アデールよ。
 あっ!」

クレモンティーヌはようやく気付きました。
アレックス
 「その通り。この方がクレマン・アデールその人だよ。」
一同が集まります。
アレックス
 「クレマンとクレモンティーヌだね。」

0222.gif
クレマン・アデール
 「ムッシュ、アレックス殿。
 私は貴方に申し出たい事があってここに来ました。」

アレックスと対面を果たしたクレマン氏は挨拶もそこそこに
早速訪問した目的を切り出します。
クレマン・アデール
 「実は私の友人のルイ・ブレリオ氏が最近新しい飛行機を作りましてね。
 その性能テストの為に優秀なパイロットを求めていた所なのです。
 そんな時、調度貴方が今回私の主催するレースに出場する事と、
 トラブルがあって飛行機の準備が十分でない事を聞いたので。」

クレマン氏は更に続けます。
クレマン・アデール
 「で、宜しければ性能テストも兼ねて
 貴方がその飛行機に乗って今回の飛行機レースに参加して頂けないかと。」

航空の父と言われる偉人からの思いも掛けない申しに
驚き裾を正すアレックス。
一方耳を立ててこっそり聞いていたモラッシュは面白くありません。
モラッシュ
 「止めろ!そんな申し出なんか!」
と、叫びます。

0223.gif
アレックス
 「そんな大役を...私で宜しければ。
 謹んでお受け致します。ご支援感謝します。」

アレックスはクレマン氏の申し出を了承し、
この大きな支援に感謝の意を示します。
クレマン・アデール
 「この娘のお陰じゃよ。私をここに連れてきてくれたのだからな。」
そう言ってクレマン氏はクレモンティーヌに微笑みかけます。
バジル
 「判ったかこの野郎!俺達の問題は解決した。
 手前なんかに下げる頭なんかねえんだよ。
 邪魔だ、用が無いならとっとと出て行きやがれ!」

ノコノコと未だ居るモラッシュをバジルが追い払います。
こうしてアレックスチームの最大の危機は
クレマン氏の支援によって無事解決する事が出来ました。

0224.gif
クレマン・アデール
 「善は急げじゃ。では早速準備に取り掛かろう。」
こうしてヴィラクブレー飛行場に
最新鋭のブレリオ飛行機が持ち込まれました。
早速アレックスが乗り、調子を見る為に
試運転へと滑走路へ向かいます。

【~管理人より~】
「前の飛行機とデザインから色まで全く一緒じゃない?
 エンジンを最新に交換したのを翻訳し間違えてるのでは?」
とツッコまれるであろう皆さん、
それは気のせいです
自分もそう思って繰り返し見て聞いたのですが、
何度聞いても別の飛行機だとの事。
外国製アニメなのでその辺のメカ設定は気にしてはいけません。

0225.gif
滑走路を走った新アレックス機は地面を離れ、
無事に空へと飛び立つ事に成功します。
軽快にヴィラクブレー上空を飛び回るアレックス。
その光景をクレモンティーヌ、クレマンとプチボーイ、
そしてゴントロンとジネットが眺めます。
ジネット
 「何て素晴らしい光景かしら!
 アレックスは本当にヒーローだわ!」

ゴントロンの耳の中からジネットが感嘆の声を上げます。
ジネット
 「それに比べて...」

0226.gif
(動物コント始まり。何時も通り適当に概要だけ説明して省略)
アレックスと比較してゴントロンの意気地なしをなじるジネット。
いぶかしがるゴントロンにジネットは
サーカスの檻に閉じ込められているスターレットの事を話し、
好意があるなら男として彼女を救出するべきと話します。
ジネットの説得に急かされ、ゴントロンは渋々ながらも
モラッシュサーカスへと向かいます。
(省略終了)

0227.gif
新アレックス機の試運転を一通り終えた後、
クレモンティーヌはプチボーイを連れて展示会へ行き、
ド・ロームの飛行船を見せます。
クレモンティーヌ
 「見て見て、この大きなゴンドラ。
 これならサーカスの全ての動物達が乗せられるわ!」

ノアの方舟の話をヒントに動物達を飛行船に乗せて救出する事を
思い付いたクレモンティーヌはやや興奮しながら弟に説明します。
プチボーイ
 「成程、これなら出来るね!
 ...でも操縦は?飛行機みたいに難しくはないの?」

クレモンティーヌ
 「それが全然よ。自然に飛び上がっくれて
 風の力で自由にを漂ってくれるのよ。」

プチボーイ
 「へー、それは良いね!」
クレモンティーヌ
 「でしょう!」
姉弟でどんどん計画がまとまって行きます。
プチボーイ
 「じゃあ早速実行に移そう。僕達だけでは無理だから
 協力してくれる人達を探さないと。」

クレモンティーヌ
 「あんたの言う通りね。
 早速エオールとエンリコに掛け合ってみましょう!」

こうしてサーカスの動物達を救う計画が決まり、
クレモンティーヌは弟と一緒にエオール達の元に向かいました。

(次回に続く。)
関連記事
クレモンティーヌ(原作) | コメント:0 | トラックバック:0 |

(一休みスペシャル)自分が推奨する名劇化候補作品

-世界名作劇場-
(一部例外はあるものの)
欧米の名作文学を原作にTVアニメ化した
日本アニメーションの作品シリーズだ。
異論はあるものの、公式ではこれまで26作品が作られた。
かなりの量だが...しかし。
世の中にはまだまだ原作となりうる児童文学作品がある。
日本では無名に等しくとも、欧米ではメジャーで
知らぬ者など無い物もある。

と言う訳で、
連休の一休みも兼ねて
ここは一つクレモンティーヌ以外に自分が選ぶ
名劇作品の候補となり得る作品を取り上げたいと思う。

1位
 赤毛のゾラ(Die Rote Zora)
die rote zora1
クロアチアの小さな港町を舞台に、古城を根城にした
真っ赤な髪の毛の少女ゾラをリーダーとする孤児達の
波乱万丈且つユーモラスな生き方を綴った、
ドイツ出身(後にスイスに亡命)の児童文学小説の巨匠、
クルト・ヘルト/Kurt Held(本名クルト・クレーバー/Kurt Klaeber)の代表作。
世界で一番かどうかはともかく、
ヨーロッパで一番有名な赤毛の少女はこのゾラでしょう。

die rote zora2
赤毛のゾラは度々映像化されています。
一番有名なのは1979年のドイツで制作されたTVドラマでしょう。
1話26分、全13話(1クール)のドラマですが、
クルト・ヘルト氏の描くゾラの世界を見事に映像化し、
主題歌と共にゾラのイメージを決定付けました。

die rote zora3
2008年にもリメイクの形で映画化もされています。

原作者のクルト・ヘルト氏は他に「ジュゼッペとマリア」と言う作品も残しています。
共通するのは大人の厳しい社会の中で逞しく生きる孤児達を題材にしている点でしょう。
氏はナチスの弾圧・逮捕を受けた後、スイスに亡命し、
第二次世界大戦中は自給自足の生活をしながら戦争の推移を見守っていましたが、
スイス国籍を取得する1948年まで執筆活動を禁じられた上
(クルト・ヘルトと言う名は執筆活動を続ける為に作った偽名)
第二次世界大戦と言う戦乱で生み出された戦災孤児達と言う
悲惨な現実を目の当たりにします。
そう言う子供達に生の力強さを教え、勇気を与えたい...
氏の書いた物語は一貫してそのテーマで綴られてます。
そう言うテーマで書かれたゾラの物語は世界名作劇場の
原作素材として極めて優れた物だと思います。

そしてこのクルト・ヘルト氏。
一部の名劇ファンはもう既にご存知だと思いますが、
名劇第21作「ロミオの青い空」の原作「黒い兄弟」を書いた
児童文学作家リザ・テツナー/Lisa Tetznerご主人
夫婦揃って孤児を題材にした力強い作品を世に送っていたのです。
「黒い兄弟」を名劇化した日本アニメーションが
赤毛のゾラを知らなかった筈はありません。
ひょっとしたらあの当時日アニスタッフの心の片隅で
「黒い兄弟より赤毛のゾラの名劇化」を一瞬思ったかも知れません。
だがゾラはあまりにもメジャーでしかも名作TVドラマもある...
下手に名劇化したらTVドラマと完成度の優劣を比較される
リスクがあるのは誰の目にも明らかでした。
黒い兄弟を選んだのはあの当時としては正解だったと思います。
しかし今や21世紀、1979年の伝説のTVドラマも流石に過去の物となり、
2008年のリメイクも映画と言う媒体で済んでアニメ映像化の敷居が低くなっている現在、
ゾラの名劇化を試みる良いタイミングかも?と思います。

2位
 シーラス(Silas)
Silas1.gif
-実の父を亡くし、母と共に義父の経営するサーカスに住む少年シーラス。
 義父による厳しいサーカス芸の修業に嫌気が差したシーラスは
 ある日馬牧場で運命的に出会った「黒い馬」を盗み出し、
 自由の大地を夢見て馬と共に当ての無い逃避行へと旅立った-

デンマークの児童文学作家セシル・ボドカー/Cecil Bødkerの出世作にして代表作の
「シーラス・シリーズ」です。
1967年に第一巻である「シーラスと黒い馬/Silas og den sorte hoppe」を刊行。
以後続編を積み重ね、
2001年の完結巻である「シーラス安らぎの時/Silas, fortrostningens tid」まで
全14巻もある大長編シリーズです。

Silas2.gif
第一巻の「シーラスと黒い馬」は1981年ドイツで実写TVドラマ化。
一話50分の全6話の短いTVドラマですが、ヨーロッパ各国で繰り返し放送され、
ゾラと並んで80年代のヨーロッパの代表的な児童文学ドラマとなりました。

世界名作劇場化するなら、全14巻と言う膨大なストーリーは
内容が不足しがちでオリジナルストーリーを挿入しなければならない
原作が多い中では圧倒的に恵まれているのは間違いありません。
最も、「アン」や「若草物語」の様に
物語の時系列がどんどん進み、主人公も成長して置かれた立場が次々と変化する為、
(シーラスも馬と逃避行の後、廃村を仲間と共に開拓したり、
 開拓後も仲間同士や新参者とのいざこざを仲裁したり、
 結婚して父親になる等、どんどん大人になって社会人化して行きます)
少年少女を主人公とする名劇では幾らかのストーリーを省いたり、
或いは大人になってからの話を強引に少年時代に持って来て辻褄を合せる等の
加工をしなければならないでしょう。
しかしその知名度の割には1981年のドラマ以来現在まで
映像化が(自分の知る限り)未だに無いこのシーラス・シリーズは
手が殆んど付けられていない、極めて希少で有望な原作候補だと思います。

3位
 ソフィーの悪戯(Les Malheurs de Sophie)
les malheurs de sophie 1
本国フランスでは知らぬ者はおらず、
100年以上たった今も子供達の中で「最も好きな作家」の上位に必ず食い込む、
Comtesse de Ségurことセギュール夫人(正確な訳はセギュール伯爵夫人)の代表作。
本名をソフィー・ロストプーチンと言い、
小説の題名である「ソフィーの悪戯」は作者自身をモデルにした経緯から。
彼女のお転婆娘だった少女時代の出来事を題材に、
主人公である少女ソフィーの悪戯とその失敗を面白おかしく描いた
(しかしちょっぴり教訓めいた...元々子や孫の躾の為のお話なので)
ユーモア溢れるフランス児童文学の金字塔。
100年以上前で且つフランス文学史に残る名作中の名作であり、未だに根強い人気を誇る...
これ程の作品が映像化されてない訳がありません。
セギュール夫人の作品はフランス本国では古くから実写やアニメとして映像化されて来ました。

les malheurs de sophie 2
一番近年の作品は1998年に制作されたTVアニメシリーズ。
一話30分の26話(2クール)の作品です。
キャラクターデザインは日本人の好みに合いませんが、映像の出来はかなり良さげ。
外国のTVアニメでここまで高いクオリティは極めて希な方だと思います。
流石セギュール夫人の作品...時代を越える名作だと製作費は豊かです(笑)

世界名作劇場化するのなら、この「ソフィーの悪戯」は一番難易度が低い作品です。
いやむしろ今直ぐに名劇化出来ます
①少女が主人公
②ごく普通の生活を綴った日常作品(悪戯だらけですが)
③暴力シーンや差別など、子供には見せ難い要素は皆無
④肉親の死や人生の転落など不幸で辛い、憂鬱な展開にはならない
⑤ついでに19世紀の作品なので著作権が切れている。
などと、正道中の正道を地で行く
安心して親が子供に見せられる(読ませられる)...むしろ教育本として薦める位の作品です。

最も、この「親が読ませたい作品」と言うのがある意味難点かも知れません。
「大人が子供に読ませたい作品」と言うのは「大人が子供に見せたい映像」でもある訳で、
とどのつまり「ソフィーの悪戯」はあまりにも映像化に恵まれている。
名劇が今更シリーズに加えてもたちまち他の映像化作品と比べられてしまい、
その完成度の優劣を付けられると言うリスクがあります。
特に1998年のアニメは強敵になるのは間違い無いでしょう。
原作知名度の低い日本はともかく、世界へ輸出する場合は輸出先の状況を良く調べて
名劇らしい作風等、作品の完成度を詰めて行かなければなりません。
(アジア圏は大丈夫かも...は駄目です。あっちも輸出している可能性がありますから)

補欠
 ほら吹き男爵の冒険記(Le secret des sélénites)
le secret des sélénites 1
「ほら吹き男爵」ことミュンヒハウゼン男爵のほら話を綴った、
様々な人の手でどんどん脚色・加筆されたの作者不詳の冒険小説。
狩や戦、水陸から地底、果ては月世界まで、男爵が吹聴するほら話であり、
現在の視点からは無論、当時すら「んな訳無いだろ」とツッコミたくなる様な
奇想天外の空想話のオンパレード。
科学や史実など合理的な思考は不要、純粋に理屈抜きで楽しむ為の物語です。

le secret des sélénites 2
科学が進みんだ現在ではあまりにも荒唐無稽な物語の筈ですが、
意外な事に、海外では結構映像化されています。
特に「月世界への冒険編」が好まれている様です。
アポロ11号によって人類が月に到達しているのに...
いやむしろ到達しているからこそ、作品内で描かれている月世界が逆に新鮮なのかも。
日本でも公開された1989年制作の映画「バロン」が有名ですが、
それ以外に上記の1984年にアニメ化されたりもしています。
(Le secret des sélénitesの訳は月世界の秘密)
「馬から転倒した弾みで城壁を飛び越え入室する」等と言った
物理法則云々以前に読まなきゃ判らない...いや、読んだら余計に判らない、
実写ならもどう映像化するのか頭を抱える様なシーンを
文字に書いてある通りにそのまま描いています。
こう言う手描きアニメならではの映像表現はそれはそれで見ていて面白いです。

まあしかし...これを世界名作劇場化は流石に無理でしょう(笑)
こんな荒唐無稽な内容の古典文学もやろうと思えばアニメ化出来る、
或いは世界にはこんな作品もあるんだと言う事を知って貰えれば
と思って取り上げました。


 クトゥルフ神話
Cthulhu.gif
-この世、或いはこの地球には人類が登場する遥か太古の昔から、
 人知を超えた強大な力を持つ恐るべき異形のものどもが存在しており、
 今現在は地上から姿を消しているが、今まさに蘇えろうとしている-
ハワード・フィリップス・ラヴクラフト/Howard Phillips Lovecraftの怪奇小説シリーズと
その小説に使われる小説世界の神話体系。

この神話が良いのは神話世界が著作権フリーであり、神話体系を自由に作れる事、
太古から現在まで時代を幾らでも使える事、
ラヴクラフトが書いた「クトゥルフの呼び声」は1925年のお話であり、
世界名作劇場の原作の必要要素である「昔のお話」を満たしている...

ここは一つ、世界名作劇場枠でクトゥルフ神話を...
やっぱり駄目?(爆)


総論
以上自分が選ぶ名劇化候補を5つ選んで取り上げてみました。
(最もその内2つは冗談ですけど)
一回の記事で一気に紹介する都合上、
かなり端折ったり、独断と偏見の評価で順番を決めてしまいましたが、
機会があれば何時か詳しく紹介して見るのも良いかなと思ってます。

今回取り上げた作品をより知りたい方は
原作小説を各自で入手して読んで頂ければ幸いです。
どの作品も全て翻訳されて日本で出版・販売されています
恐るべし文学国家日本!
どんな国のどんな文学だろうと、翻訳する人が居るし、出版する会社が必ず居る。
今回の記事を書くに当たって
自分にとって一番の発見はコレでした。
関連記事
日記 | コメント:0 | トラックバック:0 |
| ホーム |次のページ>>
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。